病院勤務からの独立開業

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介護タクシーとは高齢者や障害者などの移動が困難な方々を、介護しながら移送するタクシーの事です。病気や障害・ケガなどにより自力で移動が出来ない方々を援助し、福祉車両にて安全・快適に目的地まで移送します。福祉車両には専用のリフトやスロープが付いており、車椅子や寝台に乗ったままで乗り降りが可能です。歩行可能な方々や杖歩行の方々には、必要な手助けをする事によって普通の座席への乗り降りが可能となります。近年の高齢化社会では利便性や安全性において必要不可欠なサービスです。

大学を卒業後に以前から興味関心のあった医療の道へ進み、岩手県盛岡市の病院に事務員として就職しました。最初は事務局の総務課で主に雑用の仕事をしておりましたが、就職して約1年後に放射線科へ異動となりました。予期せぬ人事異動で不安や戸惑いがありましたが、MRI担当という事でほぼ強制的に異動となりました。MRIは磁気を利用した画像診断装置なので、当時は無資格で携わる事が可能でした。全くの素人が解剖学から勉強して何とか撮影方法を理解する事が出来ました。X線一般撮影の手伝いをしながら、その後MRIの業務を3年間続けました。そしてこの貴重な3年間がその後の人生に大きく影響する事になりました。

法律改正により医療の有資格者でなければMRIに携わる事が出来なくなり、必然的にまた事務局へ異動となりました。放射線科在籍中に放射線技師を目指して勉強しましたが、高倍率の専門学校へ入る事すら出来ませんでした。当時20代で若かったので、受験を3年挑戦しましたが合格する事が出来ませんでした。結局は放射線技師の資格取得を諦めて、再度また事務局で働く事になりました。情けないやら悔しいやらで一時は精神的に落ち込みましたが、気持ちを切り替えて事務員として頑張りました。その後は総務課の経理と医事課の医療事務を経験し、勤続15年で病院を退職する事になりました。

そして病院での経験を活かして起業したいという気持ちが強くなり、現在の仕事である介護タクシーを目指す事になりました。病院には子供からお年寄りまで様々な患者様がおります。病気や障害・ケガの種類や状態も人によって様々です。つまり相手によって柔軟に対応を変えなければならないのです。相手を思いやる気持ちを大切にして、相手に合わせた対応を心掛ける必要があります。この柔軟な対応は病院勤務時代に色々と経験しており、実際に介護タクシーの仕事でかなり役に立っております。介護タクシーの業務は高度な運転技術だけでなく、お客様に合わせた柔軟な対応力が必要とされます。今になって思うと、病院勤務で学んだ知識や技術はとても貴重な経験であったと有り難く思っております。