介護タクシーの成功法

f:id:care_drive:20210302152346j:plain


介護タクシー事業を成功させるにはいくつかの重要なポイントがあります。独立開業してから15年間、成功と失敗を繰り返して様々な事を学びました。事前に戦略を考えて運営しますが、実際に経験してみて分かる事も沢山あります。ちょうど15年の節目なので、過去を振り返って自分なりに整理してみます。

1.福祉車両の選び方

最初は軽自動車のワンボックスタイプでスロープ車が良いです。普通車と比較して維持費がかなり安くなります。車両選びのポイントとしては室内空間と使い勝手を優先する事です。メーカーや車種によって違いがありますので、カタログや現車で確認する必要があります。そして雪が多い地域では必ず四輪駆動車を選びます。

2.車両1台から開始

一般のタクシーと違って介護タクシーは1台から営業を開始する事が可能です。特に個人事業の場合は、1台から始めて軌道に乗ってから増車を検討します。個人差はありますが、営業を開始して半年くらいは利益が出ません。軌道に乗るまで最低でも半年から1年は掛かります。1台から様子を見て進めた方が効率良いです。

3.介護タクシーの名称

介護タクシーの名称(事業所名)は慎重に決めた方が良いです。ポイントとしては分かり易くて覚えてもらい易い名称にする事です。近年ではユニークな名称やイメージに合わない名称が増えておりますが、利用者は高齢者や障害者なので比較的シンプルにした方が良いです。当然の事ではありますが、名称の選択はかなり重要です。

4.事業所の場所

個人事業所の場合は自宅を事務所兼用とする場合が多いですが、実家ではなく賃貸であれば場所を変える事が出来ます。新たに場所を決める場合は立地が重要となります。ポイントとしては周囲に病院や施設が多い場所を拠点にする事です。そして可能な限り、人口が多い市町村を選んだ方が確実に有利です。

5.効率的な広告宣伝

最初は認知度を上げる為に様々な広告媒体を利用して宣伝します。近年ではインターネットを利用した広告宣伝が主流です。ホームページは必須で、他にSNS等での宣伝も加えた方がより効果的です。ちなみに15年前では電話帳や新聞・チラシなどを活用しましたが、思った程の効果は得られませんでした。

6.効果的な営業方法

基本ではありますが、お客様の所へ直接足を運んで営業した方がより効果的です。病院では医療相談室のケースワーカー、施設では生活支援員やケアマネージャーに直接会って営業します。そして繋がりが多ければ多いほど有利になります。病院では院長や事務長など、施設では理事長や施設長などに営業しても全く意味がありません。

7.介助での対応力

介護タクシーを利用する高齢者や障害者はそれぞれ病気や障害を抱えております。全て同じ様な対応ではなく、相手の状態や性格に合わせた対応が必要となります。自力歩行が可能な方や杖歩行の方、車椅子や寝台を利用する方など移動方法もそれぞれ違います。運転するだけではなく、相手に合わせて適切な介助をする事も重要です。

8.経営に即した増車

経営が軌道に乗った後に福祉車両を増車する場合は、経営方針に合わせて車種を選択する必要があります。軽自動車1台から始めて同じく軽自動車を増車したり、タイプの違う普通車や大型車を増車したり様々です。ポイントとしては同じ用途の車両を増車するか、用途を変えて寝台車などの車両を増車するかの違いです。

現在の高齢化社会は今後20年くらい続きます。したがって介護タクシーの需要も高いまま今後も推移します。介護タクシーは移動困難な方々をサポートする社会貢献性の強い業種です。昨年から続いている新型コロナウイルス感染の影響は実際ありますが、介護タクシー業界全体が今後より良くなる事を願います。