介護タクシーの事業許可

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介護タクシー運転手は二種免許を取得したプロのドライバーです。現在では自動車教習所で二種免許を取得出来ますが、以前は運転免許センターで試験を受けなければなりませんでした。しかも試験はかなりの難関で、何度も繰り返し受験する必要がありました。当時は試験場近くの教習合宿所に宿泊しながら受験する人もおりました。直接受験しても100%不合格なので、試験用の教習所で10回ほど練習してから試験を受けました。最初の1回目は完走すら出来ずに途中で終了でした。2回目では完走出来ましたが不合格で、3回目でやっと合格する事が出来ました。

かなり苦労してやっとの思いで二種免許を取得し、その後にヘルパー等の講習を受けて数種類の福祉資格を取得しました。そして必要資格を取得してから介護タクシー事業許可の申請となりました。申請書類は非常に種類が多くて準備に時間が掛かります。通常は行政書士などの専門家に依頼しますが、時間があれば何とか自分でも準備する事が出来ます。そして初期費用を抑える為に自分で多量の申請書類を準備する事にしました。ちなみに専門家へ依頼する場合は30~50万円もの費用が掛かります。申請書類は営業所に関する資料や福祉車両に関する資料・開業資金に関する資料・取得資格に関する資料・本人を証明する資料など様々です。

事業許可申請が無事に受理されてから約1ヶ月後に法令試験があります。試験の内容は二種免許取得で学んだ事が多く出題され、他には事業を営む上で必要な事などが出題されます。そして試験合格から約1ヶ月後に事業許可が下ります。許可申請書類の準備に1ヶ月掛かったとすると、事業許可が下りるまでに合計して約3ヶ月掛かる計算になります。福祉車両やタクシーメーターなどの準備は、許可申請中に同時進行でも構いません。事前に準備を進めると早期に営業を開始する事が出来ます。その他に運賃料金の認可や営業開始届なども必要になります。

介護タクシーは1台での開業が可能で、要件は一般の個人タクシーと比べて厳しくはありません。タクシーの実務経験や無事故無違反などの条件がありません。事務所や駐車場も自宅を利用する事が可能です。特に持家の場合は比較的容易に準備を進められます。もちろん事務所は賃貸物件でも構いません。二種免許と事務所・駐車場・福祉車両・そしてやる気があれば誰でも開業が可能です。福祉限定のタクシーなので経営的に難しい面がありますが、高齢化社会において社会貢献度の高い非常にやり甲斐のある仕事です。将来的に独立開業を検討されている方には経験上お勧めの業種です。