介護タクシーの難易度

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介護タクシーは社会貢献度が高くて需要が多い業種ですが、経営面では他業種と比べて難易度が高い業種です。経営の難しさには様々な要因があり、現状では改善が厳しい状況です。経営する上での考え方は、利益追求よりも細く長く続ける事を目標とした方が良いです。介護タクシーを必要とする人は多いので、地道にコツコツ努力すれば経営は成り立ちます。焦らずにじっくり考えながら事業を進めていく事が大切です。

難易度が高い要因の一つとして介護タクシー運賃の問題があります。事業所によって多少の違いはありますが、基本的に一般のタクシーと同じです。そして付随する介助料金は基本的に無料でサービスします。介助料が発生する場合は、危険度が高いとか難易度が高い・必要以上に時間が掛かる場合など業務内容で決まります。つまり通常の介助はサービスなので、一般のタクシーと比較して割に合わない計算になります。

業務内容に関わらず確実に介助料金を徴収する方法は、介護保険対応の介護タクシーにする事です。乗降介助料に対して介護保険が適用となり、利用者は一部負担金のみで利用が出来ます。そしてプラスになる介助料の分を踏まえて、介護タクシー運賃を安く設定する事が可能となります。しかし介護保険の認定を受けるには様々な条件があり、法人格が必要で従業員が2.5人以上などとハードルは高くなります。介護保険対応にするかしないかはそれぞれ一長一短ありますので、経営者の考え方次第になります。

他の要因として利用者一人一人に掛かる時間が長い為、一般のタクシーと比べて件数をこなせない問題があります。介護タクシーは基本的にドアからドアやベッドからベッドなので、移動時間の他に前後の乗り降りに時間が掛かります。例えば介護タクシーでの移動時間が30分の場合、乗車までに15分・降車してから15分掛かるとすると合計1時間となります。単純に計算すると多くても1日に10件前後の運行となります。

そして所要時間の問題に加えて、なかなか予定通り進まずに予約時間がずれてしまう場合が多いです。利用者は高齢者や障害者なので本人の思い通りにならずに時間が掛かってしまう場合や、病院や施設の都合で予定より時間が掛かってしまう場合があります。予約の段階である程度は考慮してスケジュールを立てますが、予想外に20~30分ずれる事はよくあります。

介護タクシーは基本完全予約制なので、一般のタクシーの様に「流し」や「待ち」は出来ません。つまり仕事の予定が空いていても、常にお客様からの連絡を待っているしかありません。そしてお客様が希望する時間帯はほぼ皆同じで、8時~9時・昼前後・14時から15時の時間帯に集中します。スケジュール管理をする上では、予約時間の調整や空いた時間の使い方などがポイントとなります。介護タクシーでの運行の他に、付き添いや見守りなどの業務も加えるとより合理的な経営が可能となります。