マイホームを売却

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両親が建てた家で幼少の頃から約50年間生活してきました。姉を亡くして一人になった私は、両親が亡くなった後に土地と建物を遺産相続しました。本来であれば親が残してくれた財産を一生大切にしなければなりません。しかしながら独身の私には相続人がいません。もし家族のいない私が死んでしまうと、財産は法定相続人である親族に分配相続されます。親族であっても実際は他人です。大切な財産を親族に渡したくもないし、迷惑も掛けたくありません。そして結婚は諦めずに努力を続けておりますが、残念ながら将来的に実現する保証もありません。そこで私が元気で動けるうちに親から相続した財産を整理する事に決めました。

その後に不動産会社へ依頼して土地と建物を売却する準備を進めました。しかし想定外の問題が色々と発覚しました。親が残してくれた不動産は簡単に売買出来ない物件だったのです。そもそも家を建てられない市街化調整区域に、特別な条件付きで建てられた家だと分かりました。その条件とは家族限定で使用するという内容です。つまり他人へは譲渡が出来ないという事になります。他にも登記上の地目が畑のままであったり、周囲との境界がはっきりしていなかったりという問題が分かりました。

そこで行政に不動産を売却したい事情を説明して、どうすれば他人に譲渡出来るのか相談しました。そうすると意外な答えが返ってきました。それは所有者の私自身が遠隔地へ引っ越した場合は、やむを得ず他人へ譲渡する事が出来るとの内容です。しかも遠隔地とは県内では認められず、県外へ引っ越さなければなりません。納得がいかない条件ですが、法律上は従うしかありません。そして今の生活を全て捨てて、条件通り県外へ引っ越す決断をしました。

様々な問題を解決するには時間と費用が掛かりました。専門家である不動産会社と行政書士に協力して頂き、約半年もの期間を経て結果的に何とか実現する事が出来ました。今回の不動産売却と県外への引っ越しは人生最大の決断であり、人生最大の転機となりました。ある意味「人生のリセット」からの再スタートとなります。